神奈川県における扱い

神奈川県には青少年の健全な育成を目的とする「神奈川県青少年保護育成条例」があり、未成年者から使用済み下着等を購入する行為を禁止しています。

使用済み下着等の購入の禁止

神奈川県青少年保護育成条例第29条1項は、以下のとおり規定しています。

第29条(着用済み下着等の買受け等の禁止)第1項

何人も、青少年から着用済み下着等(青少年が一度着用した下着又は青少年のだ液若しくはふん尿をいい、青少年がこれらに該当すると称した下着、だ液又はふん尿を含む。以下この条において同じ。)を買い受け、売却の委託を受け、又は着用済み下着等の売却の相手方を青少年に紹介してはならない。

ここにいう「使用済み下着等」が具体的にどういうものを指すのかについては、神奈川県による詳しい説明は見当たりませんでしたが、他の都道府県の取り扱いが参考になります。

たとえば東京都の場合、使用済み下着等とは下記のものを指します。

「下着」とは、上着の下に着る衣服で、特に、直接肌に着ける衣類をいい、かつ通常公衆の場所でそれのみを見せることのないものをいう。例えば、ショーツ、ブラジャー、パンティストッキングなどであり、靴下は含まない。
 また、「だ液若しくはふん尿」には、汗などの体液は含まない。

(『東京都青少年の健全な育成に関する条例の解説』169頁から引用)

東京都と同じ扱いが予定されているとは限りませんが、他の自治体でもほぼ同様の内容の解説を公表しているところが複数ありますので、一応の参考にはなると思います。

「これらに該当すると称した下着」とは

「これらに該当すると称した下着、だ液又はふん尿を含む」とは、実際には未成年者の使用済み下着等ではなくても、未成年者からそのように説明を受けて購入すると、同様に処罰される、という意味です。

つまり、実際には未使用の下着であっても、自分が着用したものだと虚偽の説明を受けて購入すると、条例により罰金が科せられます。

勧誘行為の禁止

第29条 第2項
何人も、青少年に対し、着用済み下着等を売却するように勧誘してはならない。

使用済み下着等を売却するように勧誘しただけで、処罰の対象となります。勧誘の方法は直接面と向かってではなくても、たとえばフリマアプリのコメント欄で依頼するようなものも含まれる可能性が高いため、注意が必要です。

罰則

上記の各規定に違反した場合、罰則があります。

第53条第4項12号

次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。

(12) 第29条第1項又は第2項の規定に違反した者

未成年者から使用済み下着等を購入する行為、および、売却するよう勧誘する行為のいずれも、30万円以下の罰金に処せられます。

この罰金は、交通違反の罰金(反則金)のような行政処分ではなく、刑事事件として立件された上での刑罰としての罰金ですので、いわゆる前科がつきます。

以上、神奈川県においては、未成年者から使用済み下着等を購入する行為が禁止されていますので、注意が必要です。